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 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故で、警戒・計画的避難区域内にある福島県立高の生徒や家族が新年度を前に追い詰められている。今年度は10高校が計23カ所の「サテライト校」に分散したが県教委は4月から基本的に各校1カ所にまとめる方針。集約先への家族での転居は経済的な負担が大きく、通学困難者のための「寄宿舎」にも不安が募る。今春入試での志願者が激減する中、保護者の間では将来の学校存続を危ぶむ声が出ている。【樋口岳大、福田隆】

 県教委によると、10校のサテライト校では今年度、約2000人が学ぶ。だが、まとまって行事ができない▽教室不足による学習制限--などの問題があり、県教委は昨年9月に集約方針をまとめ、在校生には他校への転校や、集約先近くの借り上げ「寄宿舎」に入居する方法を示した。

 福島第1原発から約5キロにある双葉翔陽高(大熊町)は、県内4カ所のサテライト校に分散。同校1年の栃本翔太君(16)は、父正さん(60)らとともに大熊町から会津若松市に避難し、坂下高校(会津坂下町)に間借りしたサテライト校に通う。学校は新年度、避難先から約100キロ離れたいわき市内の大学施設に集約される。

 寄宿舎には家族では入居できず、正さんは、いわき市や近隣で家族ごと仮設住宅の入居ができないか学校に相談した。翔太君は自閉症を抱えており、両親と離れて生活するのが難しい。だが、回答は「各自で確保してほしい」。結局、老後の蓄えをはたいて、いわき市内に中古住宅を購入。「行政に頼るのはあきらめた」と疲れをにじませる。

 「寄宿舎」にも不安が強まっている。

 双葉高(双葉町)のPTA(水田計一郎会長)は17日、同校など3校の寄宿舎に予定されているいわき市内のビジネスホテルや旅館の3宿泊施設を見学した。だが、10畳の部屋に4人入居させたり、夜の勉強場所が確保されていない施設もあり、参加した生徒と保護者約40人から、ため息がもれた。

 両校を含む双葉郡内5校(分校1含む)の今春入試の志願倍率は、全体の約3割を募集する1期選抜で0・13~0・75倍、残りの約7割を募集する2期選抜で0・09~0・33倍と、前年より大幅に落ち込んだ。今後も志願者増は考えにくく、学校存続すら危うい。

 水田さんは「この方式は12年度だけにして、仮設でいいから校舎と寄宿舎を建ててほしい」と話す。

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