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 子供たちのもめ事を、同級生が中立の第三者として解決する「ピア・メディエーション」(PM)という手法に、大阪の府立高校が取り組んでいる。人間関係が原因のいじめなどが起きがちな中、話し合いによる問題解決法の一つだ。

 「どうしてメールの返事を送らなかったの?」「すぐに返事をする時間がなかったし、たくさんならお金もかかる。一方的に送られて面倒になった」「面倒だと思われてるとは知らなかった。友達だから全部を知ってほしかっただけなの」

 メールの返答を巡ってけんかとなった女子高生2人が、別の女友達に仲裁に入ってもらい、話し合いをした結果、「互いに友達でありたいのに、ただメールへの考え方が違っただけ」と気が付く――。これは、「裁判外紛争処理」(ADR)の一つとしてPMの研究を始めている大阪市内のNPO「シヴィル・プロネット関西」が今月、高校生向けに作製したDVDの物語。出演しているのは、大阪府立茨田高校の「PMクラブ」の生徒たちだ。

 PMとはこのように、紛争の解決を望む2人の間に、同じ立場の人間(ピア)が仲介役として入り、話し合い(メディエーション)を進めるもの。仲介役になるためには、人の話を聞き、まとめるなどの技術が必要で、その訓練を受けることが、次のトラブルを防ぐ。教育的側面が強いことから、1980年代から欧米の学校で導入されている「紛争解決手法」の一つだ。

 茨田高校では2年前、生徒指導の工夫を考えていた1人の教師が、先のNPOなどからPM手法を聞き、生徒らに勧めたことがきっかけで始まった。大阪府の予算も獲得し、昨年5月には生徒たちがクラブを創設。現在はクラブ員10人ほどが週に1回、NPOのメンバーから、調停の仲裁法をもとに、公平な話し合いの手法や聞き方の講義を受けている。

 まだ現実のトラブルを仲裁するには至っていないが、「人の話の聞き方を初めて知った。すごくおもしろい」と、2年生の谷静香さん(16)。同級生の長尾美奈さん(16)も「相手にも意見があるということが、自然にわかってきた。これからの人生に役立つと思う」と、手応えを感じている。

 「現実にどんなトラブルを扱うのかなど課題はあるが、生徒たちのコミュニケーション能力が確実に上がっているのではないか」と指導に当たっているNPO代表の津田尚廣弁護士。同校の中村光男教頭も「生徒の人間関係の向上に結びつき、学校作りの下地にもなっている」と評価している。


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