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 ■TV、DVD見せて大丈夫?

 「テレビは見せない方がよいのでは」「DVDばかり見ているが大丈夫だろうか」。メディアが多様化するなかで、子供にテレビやDVDをはじめとした映像作品をどのように見せればよいか、不安を感じるイクメンも多いのではないだろうか。子供の発達と映像との関係に詳しい筑波大学の徳田克己教授は、「映像を効果的に活用することで、子供の言語能力と社会性が伸びる」と語る。


 徳田教授の研究室では全国での講演や相談会を通し、年1200件の育児についての相談を受けており、中でも映像に関する不安の声が多いという。

 「幼児期に重要なことは、言語の学習です。子供は言葉をモデリング(真似(まね))して覚えていきますが、語彙が多いほど、思考の範囲が広がります。そのとき映像を見せることで、例えば直接は行きにくいピラミッドでも“間接体験”でき、直接体験できない知識を補えます。こうして幼児期に蓄えた直接、間接の経験は将来言葉として表れ、また『経験の貯金』となっていきます」

 さらに言語能力のほか、子供の社会性を伸ばすうえでも映像の視聴は欠かせないという。

 「テレビの知育番組や『ちびまる子ちゃん』のような子供向け番組では、同年代の子供や家族、祖父母が登場します。またディズニー作品は、仲間とともに何かに取り組むという面で優れています。子供はそこでのやりとりをモデルに、誰かの足を踏んだら謝るというような、日常生活での社会性を学べるのです」

 ◆テレビ漬けは×

 バラエティー番組を見せるかも迷うところだが、「子供同士の流行を知る意味で、多少見せたほうがよいでしょう」。これも子供の社会性につながってくる。

 もっとも、ただ画面をつけておけばよいわけではない。「だらだらと『テレビ漬け』にする見せ方はいけません。幼児であれば一日2時間以内を推奨しています。また子供が映像を見終わった後に『どうしてあの子は泣いていたの』といった質問をすることで、考える習慣が身に付きます。考えさせることが重要で、間違った答えをしても指摘してはいけません。仕事を持つパパであれば、朝出掛ける前のニュースも格好の題材になります」

 子供に見せる側としては、どのような視点で作品を選べばよいかも気になる。

 「私たちは『子どもが映像から学ぶことができる内容に関する18項目』を設定しました。食品の5大栄養素のように、その映像作品から学べる要素を分類したものです。数や形の勉強の次は、人間関係を円滑にする視点のある作品を選ぶなど、特定の項目ばかりに偏らないようにするといいですね」

 テレビゲームなどとの付き合い方はどうだろう。

 「友だちとゲームをするとき、普段していない子供は、うまく協調して楽しむことができないことも多いのです。これもやはり時間のルールを決めてさせるのが大切です」

 ◆パパの問いかけを

 最後に、「世界60カ国を訪れましたが、どの国の子供も、手品を見せたり、変な顔をするだけでも喜びます。子供を喜ばせる方法は映像だけではありませんし、映像を使う場合もコミュニケーションを取るのがポイントです。イクメンを自任するパパであれば、できる方は多いでしょう」とイクメンにエールを送った。


 ■映像を評価する指針に

 徳田教授らが提唱する『子どもが映像から学ぶことができる内容に関する18項目』。心理学、教育学、看護学、幼児体育など幼児に関わる複数の専門家によって作成され、知育面で映像を評価する指針となる。


【プロフィル】徳田克己

 とくだ・かつみ 岡山市生まれ。現在、筑波大学医学医療系教授。教育学博士、臨床心理士。専門は子供支援学、子供の教育問題、保育臨床心理学など。

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