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2013年4月の開学に向けて秋田市が秋田公立美術工芸短大(美短)の4年制大学化と公立大学法人化を進める中、付属高等学院の新しい姿が見えず、関係者が困惑している。進学状況や運営、名前はどうなるのか。市と市教委は対応をようやく検討し始めた。
■推薦枠激減、運営も分離へ
「4年制化で(進学状況や運営、校名が)どうなるのか分からず、生徒や保護者に説明できない」。付属高等学院の担当者は頭を抱えている。美短と同様に新しい美大とも連携し、「生徒によりよい学校生活を送らせたいのだが……」。
付属高等学院は1952年、職人の育成を目的に、秋田市立工芸学校として開設された。75年に市立美術工芸専門学校となり、95年4月の美短開学にともなって、いまの名称になった。
工芸美術科とデザイン科のある3年制の専修学校で、定員は1学年30人。85年度からは、修了すると大学入学資格を得られるようになった。
学院によると、現状では入学者のほとんどが進学希望で、半数近くが美短に進むことを望んでいるという。昨年度の卒業生の進路は(1)美短11人(うち推薦9人)(2)専門学校10人(3)4年制大学6人の順だ。
■定員50人減
こうした進学の状況が変わりそうだ。
現在の美短の入学定員は2学科計150人で、100人が推薦枠。うち10人が学院の指定校枠という。ところが市の構想では、新しい美大の入学定員は美短より50人少ない100人で、推薦枠も25人と4分の1に。ここに含まれる学院の指定校枠はわずかに3人だ。4年制化により、一般の受験者が増えることも予想され、学院から美大への進学は、いまよりハードルが上がりそうだ。
また、学校運営上の課題もある。美短と学院は同じ敷地内にあり、市教委は、学院での学習指導や校舎整備などを、美短の学長と事務局長に委ねている。実際、学院の事務長は、美短事務局の職員が併任している。
しかし、学校教育法付則や地方独立行政法人法は、公立大学法人が大学と高専以外の学校を設けたり管理したりすることを禁じている。このため、新しい美大は学院の運営にかかわれず、文部科学省によると、「元の付属校が(公立大学法人に)業務を委託することもできない」という。
■校名変更も
さらに校名の問題もある。市は今年4月の新入生を最後に、美短の入試を打ち切る方針だ。この「最後の美短生」が卒業するのが14年3月。その後は「美短付属高等学院」の名称も改める必要がありそうだ。
こうした課題について、市と市教委、美短事務局が検討を始めたのは昨年末になってから。2月までに計4回話し合い、4月に学院の保護者会を開いて方向性を示す考えだ。
市教委の担当者は、学院を専修学校として継続させ、高校化や、他校との統合はしないと明言。「必要ならば今のカリキュラムを見直し、美大を含めた美術系大学への進学希望者を個別支援するなどしていきたい」と話している。
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