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子どものころの自然体験などが、将来の学歴や年収にまで良い影響を及ぼすことは、以前の記事で紹介しました。では、どんな体験を、いつごろ経験させればよいのでしょうか。このほど、独立行政法人・国立青少年教育振興機構の「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」の最終報告がまとまりました。それによると、幼少期から小学校低学年までは友達や動植物とのふれあい、小学校高学年から中学生までは家族や地域の人々とのふれあいなどの体験が、子どもに好影響を及ぼすことがわかりました。
同調査は、昨年11月から12月にかけて、どの年齢でどんな体験活動をするのが重要なのかを調べるために、成人と青少年を対象に実施したものです。青少年調査は学校規模、地域規模を考慮して選んだ全国の小・中・高校に依頼し、小学5・6年生、中学2年生、高校2年生の子どもたちの、約1万1,000人から回答を得ました。
このうち高校2年生を対象に、中学校までの体験と、現在の意識などの関係を分析したところ、たとえば、「ゴミ袋を出したり、捨てたりした」という体験の多い子どもは、「けんかした友達を仲直りさせることができる」と45.3%(「とても」+「やや」の合計、以下同じ)が回答したのに対して、体験の少ない子どものうち、仲直りさせることができると答えたのは、28.3%にとどまりました。
同様に、中学生までに「ペットなどの生き物の世話をした」体験が多くある者は、「友達がとても幸せな体験をしたことを知ったら、私までうれしくなる」と 77.0%が回答したのに対して、生き物とのかかわりが少なかった者でそう回答したのは、68.9%でした。さらに、「近所の小さい子どもと遊んだ」という経験が多くある者は、「経験したことがないことには何でもチャレンジしてみたい」と71.2%が答えましたが、経験の少ない者でそう回答したのは、 53.0%しかいませんでした。調査対象で最年長の高校2年生の結果を見る限り、幼少時から中学校までの体験は、確実に現在の行動や意識に影響を及ぼしているといえます。
テレビゲームなどと体験活動の関係を見ると、たとえば、中2でテレビゲームを「毎日している」という者の割合は、小学校までの体験活動が多かった者が 19.2%なのに対して、体験活動の少なかった者では27.0%となっています。同じように、体験活動を多く経験した子どもは、そうでない子どもよりも1 か月間に読む本の冊数が多い、ということも明らかになりました。
調査を統計的に分析した結果、「幼少期から小学校低学年までは友達や動植物とのかかわり」が一番子どもに良い影響を及ぼし、次いで、「小学校高学年から中学生までは地域や家族とのかかわり」が子どもの意識や行動に重要に影響を及ぼす、と結論づけています。
このほか、現在の中学生は、自然体験、友達や動植物とのかかわりが、現在の高校生よりも少ないことが判明しました。時代とともに子どもたちの環境は変わるものですが、少し気になる結果です。
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