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 数学文化の普及に取り組む「日本数学協会」(会長=上野健爾・京都大学名誉教授)が、主に小中学校の教師を対象に、算数や数学の指導方法を伝授する連続講座を東京都内で開いている。

 数学指導法の変遷を熟知した大学教授やベテラン教師が指導に当たり、参加者にも好評だ。

 「教師のための算数・数学教育講座」は昨年4月に開講、その後、ひと月に1回程度のペースで開かれている。講師は数学協会会長の上野さんのほか、埼玉大学教授の岡部恒治さん、国立情報学研究所教授の新井紀子さん、東京の多摩市立多摩第二小学校教諭の有田八州穂さんが担当する。

 7月に開かれた第10回講座のテーマは、つまずきが最も多い「比をどう教えるか」。現行の学習指導要領では、小学6年時に、「3対2」などの二つの量を比べる数字の大きさとして比を教えるが、一方がもう一方の何倍になっているかという「比の値(分数)」は小学校では教えないことになっている。

 有田さんによると、明治時代の教科書は、まず比と分数の関係を教え、続いて割合や単位量当たりの大きさを教えていたが、今は比と分数の関係を教えるのは、割合や単位量当たりの大きさを教えた後。有田さんは、こうした指導法は「比と分数という同じ概念を、別物として扱うため、子どもの理解を妨げている」と指摘。「教科書のあいまいさを認識したうえで、分かりやすい授業を工夫して」と助言した。

 岡部さんは「比の根本的な理解が欠けているために、相似比(相似の関係にある図形で、対応する部分の長さの比)がわからない大学生が増えている」と現状を紹介。上野さんも「欧米の教科書は比を分数と同じものとして扱うのが普通。日本でも割り算を学ぶ3年生から分数、比に触れさせ、それを各学年で繰り返して教えてもよい」と話した。

 参加者のほとんどは現役教師。これまで小数、分数、面積などを取り上げてきた。東京の町田市立山崎小学校教諭の堀江温子さんは「体系的にどう教えるか考えさせられた。ためになった」と話していた。参加無料。問い合わせは協会事務局(048・858・3941)へ。


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