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父親を病気や自殺などで亡くした母子家庭の遺児の進学をめぐる窮状を訴えようと、遺児と母親らが今月5日、「遺児と母親の全国大会」を開いた。同大会の開催は17年ぶり。遺児を抱える母子家庭に対するアンケートでは、物価高により生活が苦しくなったと感じている母親が9割近くに上る。進学をあきらめざるを得ない状況に、奨学金制度や学費免除の拡充を訴えている。
◇
休日の華やぎをみせる東京・銀座。この日、大会を終えた遺児や母親の計400人余りがデモ行進を行った。手には、『教育は贅沢(ぜいたく)ですか!? 遺児にもチャンスを』などと書かれたのぼりがあった。
徳島県から参加した会社員の女性(49)は8年前、自営業の夫が経営悪化を苦に自殺した。長男は大学進学を断念し就職。高校時に大学進学を希望した長女は、家計が苦しいと反対を受け自傷行為に走ったという。
「娘は専門学校に進んだが、親として申し訳なかったと反省しています。高校1年の次男も進学を希望しているので、せめてこの子だけは何とかしたい」
遺児家庭に奨学金を貸与する、あしなが育英会(玉井義臣会長)は9月、高校奨学生を持つ母親を対象にアンケートを実施した。有効回答617人の平均年齢は47・3歳で、8割以上が有職者。このうちパート、アルバイトなど非正規雇用は56・9%いる。8月の就労手取額は平均12万2200円だが、24・4%の人が減収を経験し、平均減収額は3万2600円。遺族年金などを含め同月の平均収入は20万6000円で、生活が苦しくなったと感じる人が88・7%に上った。
関西学院大学経済学部の村田治教授(マクロ経済・財政理論)は「母子家庭全体で非正規就労が50%を超える。世界的な不況で非正規雇用者が切り捨てられていくと、母子の生活も悪化する」と指摘する。アンケートでは、見切り品で食料費を、受診をあきらめ医療費を削っても、経済の悪化が子供の教育に影響があると答えた母親は4割近い。
夫と死別した母子には遺族年金が支給され、年額で国民年金加入者の場合は妻79万2100円、子供がいると第1、2子に各22万7900円、第3子以降は7万5900円が加わる。子供への加算は満18歳の年度末に打ち切られる。児童扶養手当は遺族年金支給者は対象外だが、こちらも高校卒業で終了される。
札幌市で3人の子を育てる47歳の女性は、夫を肺がんで亡くし、自らもがん治療中だ。「子供の遺族年金がなくなるから、高1の長女が大学進学をやめて卒業後働こうかと言い出した。成人するまで子供の加算分を続けてほしい」と話す。
文部科学省の調査では、平成19年度の大学入学者は、私立大(546校)で入学料、授業料、施設設備費を合わせ129万8726円かかった。国立大の入学金、授業料の標準額より約48万円多い。厚生労働省の19年国民生活基礎調査によると、母子家庭の平均所得額は236・7万円だ。
東京大学は今年度から、世帯所得400万円以下という独自基準を新設し、学部学生への授業料免除を始めた。前期分の学費免除者は全学年で812人おり、うち634人が全額を、残りは半額免除を受けた。「親の所得であきらめるのではなく、多くの学生に門戸を開きたい」(担当者)。文科省によると、国公立大全体では応募者の1割程度が、授業料免除を受けられないという。
筑波大学大学院の樽川典子准教授(家族社会学)は「子供が成長するに従い教育費が増大するなか、教育支援の充実は子を持つ家庭全体に恩恵がある。経済的困窮から抜け出すために教育が必要と頑張る母子家庭に、奨学金や授業料免除の拡充は必要だ」と話している。
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休日の華やぎをみせる東京・銀座。この日、大会を終えた遺児や母親の計400人余りがデモ行進を行った。手には、『教育は贅沢(ぜいたく)ですか!? 遺児にもチャンスを』などと書かれたのぼりがあった。
徳島県から参加した会社員の女性(49)は8年前、自営業の夫が経営悪化を苦に自殺した。長男は大学進学を断念し就職。高校時に大学進学を希望した長女は、家計が苦しいと反対を受け自傷行為に走ったという。
「娘は専門学校に進んだが、親として申し訳なかったと反省しています。高校1年の次男も進学を希望しているので、せめてこの子だけは何とかしたい」
遺児家庭に奨学金を貸与する、あしなが育英会(玉井義臣会長)は9月、高校奨学生を持つ母親を対象にアンケートを実施した。有効回答617人の平均年齢は47・3歳で、8割以上が有職者。このうちパート、アルバイトなど非正規雇用は56・9%いる。8月の就労手取額は平均12万2200円だが、24・4%の人が減収を経験し、平均減収額は3万2600円。遺族年金などを含め同月の平均収入は20万6000円で、生活が苦しくなったと感じる人が88・7%に上った。
関西学院大学経済学部の村田治教授(マクロ経済・財政理論)は「母子家庭全体で非正規就労が50%を超える。世界的な不況で非正規雇用者が切り捨てられていくと、母子の生活も悪化する」と指摘する。アンケートでは、見切り品で食料費を、受診をあきらめ医療費を削っても、経済の悪化が子供の教育に影響があると答えた母親は4割近い。
夫と死別した母子には遺族年金が支給され、年額で国民年金加入者の場合は妻79万2100円、子供がいると第1、2子に各22万7900円、第3子以降は7万5900円が加わる。子供への加算は満18歳の年度末に打ち切られる。児童扶養手当は遺族年金支給者は対象外だが、こちらも高校卒業で終了される。
札幌市で3人の子を育てる47歳の女性は、夫を肺がんで亡くし、自らもがん治療中だ。「子供の遺族年金がなくなるから、高1の長女が大学進学をやめて卒業後働こうかと言い出した。成人するまで子供の加算分を続けてほしい」と話す。
文部科学省の調査では、平成19年度の大学入学者は、私立大(546校)で入学料、授業料、施設設備費を合わせ129万8726円かかった。国立大の入学金、授業料の標準額より約48万円多い。厚生労働省の19年国民生活基礎調査によると、母子家庭の平均所得額は236・7万円だ。
東京大学は今年度から、世帯所得400万円以下という独自基準を新設し、学部学生への授業料免除を始めた。前期分の学費免除者は全学年で812人おり、うち634人が全額を、残りは半額免除を受けた。「親の所得であきらめるのではなく、多くの学生に門戸を開きたい」(担当者)。文科省によると、国公立大全体では応募者の1割程度が、授業料免除を受けられないという。
筑波大学大学院の樽川典子准教授(家族社会学)は「子供が成長するに従い教育費が増大するなか、教育支援の充実は子を持つ家庭全体に恩恵がある。経済的困窮から抜け出すために教育が必要と頑張る母子家庭に、奨学金や授業料免除の拡充は必要だ」と話している。
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