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 公費に限界

 実験や観察について、公立中理科教員の7割以上が自費で教材や備品を買った経験があることが、科学技術振興機構と国立教育政策研究所の調査でわかった。

 学校現場の資金繰りの厳しさを浮き彫りにいている。2012年度に全面実施される新学習指導要領では実験と観察を充実させるとしているが、十分な予算確保ができるかが今後の課題だ。

 調査は今年6~7月に実施。全国の公立中から無作為に選んだ337校の理科教員572人が回答した。

 それによると、実験や観察を行う際、どんな支障があるかを複数回答で聞いたところ、「授業前後の準備や後片づけの時間が足りない」が70%でトップ。次いで顕微鏡や電流計など「設備や備品が不足している」が60%。これに「授業時間の不足」38%、薬品や種子、マッチ、試験管といった「消耗品の不足」37%――と続いた。

 1校当たりの消耗品の予算は年平均11万6000円。生徒一人につき341円との計算だ。試験管やビーカーは破損した際、買い替えが必要だが、予算が限られる中で教員が自費で賄わなければ授業ができない。ポケットマネーを使ったことがあるかを尋ねたところ、76%の教員が「ある」と回答した。観察キットなどをそろえる際、生徒から実費か一部負担を求めたことのある教員も24%に上った。

 新学習指導要領では、現在よりも実験や観察の時間を増やし、実験計画を作ったり、結果を分析したりする学習に重点を置くとしている。「ゆとり教育」からの一刻も早い転換を望む保護者の声に応え、教科内容の一部は来年度から先行実施される。中学の理科では、実験が不可欠な「イオン」の学習などが含まれる。

 さらに新学習指導要領では、学校に多様な実験機器を備えることを求めているが、教員らに学校にない機器を聞いたところ、放射線測定器90%、DNAモデル85%、月球儀75%、pH測定器38%――が不足していることがわかった。

 早稲田大学教育学部の安彦(あびこ)忠彦教授(カリキュラム学)は「理科教員の負担をこれ以上増やすわけにはいかない。公費で実験助手をつけたり、実験機器を購入したりしないと、新しい学習指導要領の内容をこなすのは難しくなる」と呼びかけている。


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