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来年度から小学校で英語が必修化されるのを前に、大阪府大阪狭山市で、英語が堪能な市民らでつくるNPO法人のメンバーが小学校の英語授業に出向き、教諭を手伝う試みが始まった。
NPOは市の肝いりで設立された「小学校英語活動支援の会」。府教委によると、小学校の英語授業を巡り、市とNPOが一体となった取り組みは全国的にも珍しいという。(冨野洋平)
「apple」「cat」。9月に市立南第三小学校5年のクラスであった英語授業で、日系アメリカ人の外国語指導助手(ALT)の発音をまね、児童が声を合わせる。支援の会の永原真由美さん(39)は教室を歩き、子供らを個別指導して回った。
永原さんは高校の元英語教諭で、現在は同市で英会話教室を経営。「意思疎通の手段として英会話を楽しんでほしい」といい、ALTと授業を進める担任の戸高愛さん(25)は「日本人が1人では心細い面もあり、会の活動はとても心強い」と話した。
支援の会は今春に設立され、メンバーは中高の元英語教諭や塾講師経験者ら約20人。今夏には、小学4~6年生30人を対象に1泊2日のキャンプを開催、外国人家族らと歌を歌うなどして英語に親しんでもらった。また教員に対しても、補助教材の活用策や模擬授業を提案してきた。
小学校教諭を支援する試みは9月にスタート、支援の会の石井重光・副理事長は「英語は異文化に触れるための最初の扉。地元から、海外で活躍できる国際人が一人でも多く生まれてくれれば」と期待する。
中高の英語指導の免許を持つ小学校教員は全国で5%未満――。元文部科学省教科調査官の菅正隆・大阪樟蔭女子大教授が調べたデータだ。
英語指導に不慣れな小学校教諭が少なくないことから、文科省は教員の英語指導について、2年間で30時間程度の校内研修を受けるよう呼びかけている。それでも、全国都道府県教育長協議会の報告では、単独の英語指導について「やや不安」「かなり不安」と答えた教員は83・5%に上った、という調査結果もある。
一方、大阪狭山市では9年前から、市内すべての小学校で1年生から英語授業を導入。ALTを中心に授業計画を策定してきたが、ALTとのコミュニケーションが不十分な教員もいるという。
支援の会の取り組みは始まったばかりだが、吉田友好市長は「行政と市民の立場で、子供たちのために何が出来るかをそれぞれ考えた結果」と話し、市民と作り上げる授業のモデルケースを目指す。
菅教授は「英語授業の歴史が古く、実績のある大阪狭山市だからこそ、挑戦できる取り組み。英語嫌いな児童を増やさないために、学校と地域が連携した理想的な形態で、今後の成果に注目している」と話している。
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