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 新学習指導要領では、小学校の5・6学年に週1回の「外国語活動」(英語教育)が必修となるほか、中学校でも教科「外国語」(英語)の授業時間数が増えるなど、英語教育の充実が大きな柱の一つとなっています。その英語教育を教員と共に支えるのが、外国語指導助手(ALT)などの外国人講師です。しかし、学校現場の需要にALTが追い付かず、一部で外国人講師の質の低下が問題になりつつあります。

 これまでALTの多くは、「JETプログラム」という国の事業によって集められてきました。しかし、文部科学省の調査結果によると、小学校で外国人講師を活用した授業時間数(2008(平成20)年度実績)のうち、JETプログラムのALTによるものは21.1%しかなく、残りは「JETプログラム以外のALT」が63.2%、「留学生や英語に堪能な地域人材」が14.8%などとなっています。中学校(同)でも、JETプログラムによるALTが40.8%、JETプログラム以外のALTが58.3%、留学生や地域人材が0.9%となっています。

 調査結果からは、国の事業で集められたALTよりも、それ以外の方法で集められたALTが、既に学校現場では主流になっていることがわかります。この背景には、英語教育におけるコミュニケーション能力の重視や、小学校での英語教育導入によってALTのニーズが増加し、JETプログラムだけでは学校現場の需要を満たせなくなったことがあります。では、各教育委員会は、どのようにして外国人講師やALTを確保しているのでしょうか。独自にALTなどを採用している自治体もありますが、多くは民間企業による講師派遣などに頼っていると言われています。

 JETプログラムによるALTの人件費は、地方自治体が負担しなければなりません。民間企業からの派遣だと人件費を節約できる、というのも、民間への委託が進んだ理由の一つのようです。税金を効率的に活用するという意味では、民間企業からの派遣が悪いとは一概には言い切れません。実際、民間企業からの派遣講師のほうが、若者の国際交流をも狙ったJETプログラムのALTよりも、質が高いと指摘する声もあります。その一方で、「短期間のうちに講師がたびたび代わる」「勤務態度や能力に問題がある」と民間企業からの派遣を批判する向きも、学校現場にはあります。

いずれにしても、小学校への英語教育の導入や、コミュニケーション能力重視への英語教育の転換によって、ALTなどのニーズが急増するなかで、一部の外国人講師の質に問題が目立ち始めていることは間違いないようです。

 英語教育というと、「小学校教員に英語が教えられるのか」「英語教員は本当に英語のコミュニケーション能力を育てられるのか」などと、教員の質ばかりが話題になりがちです。しかし、ALTや外国人講師の質をどうするのかということも、これからの大きな課題と言えそうです。


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