忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 経済協力開発機構(OECD)は7日、各国の15歳を対象に2009年に実施した国際的な学習到達度調査「PISA(ピザ)」の結果を公表した。4回目の今回は過去最高の65カ国・地域が参加。「読解力」では、日本は前回06年の15位から、最も順位が高かった00年と同じ8位に回復した。「科学的リテラシー(応用力)」は5位(前回6位)、「数学的リテラシー」は9位(同10位)。低落が続いていた日本の順位が初めて上昇に転じた。

 00年に始まったPISAは3年ごとに実施され、毎回3分野のうち1分野を重点的に調べる。今回は一巡して読解力が重点項目となった。

 文部科学省は03年調査での順位急落(PISAショック)を受け、ここ数年、「読解力向上プログラム」の策定(05年)、PISAと類似問題を出す「全国学力調査」の開始(07年)などの政策を打ち出してきた。高木義明文科相は同日談話を発表し、一連の政策と学校での取り組みが読解力の順位上昇に効果を上げたとの認識を示した。

 PISAの「読解力」は、様々な文章や資料などから情報を読み取ったり、自分の考えを論理立てて記述したりする力を測る問題が出る。

 日本は06年の前回調査まで、上位層の割合が減る一方で下位層が増える傾向にあった。だが、今回は上位層が13.4%と前回(9.4%)より厚くなるとともに下位層も4.7%と前回(6.7%)より減り、成績の「下方シフト」が止まった。

 調査では読書体験などを聞くアンケートも実施。「楽しみで読書をする」生徒の割合は00年から10ポイント増えて56%だったが、それでも00年からの調査参加国の中ではかなり下位の水準だった。

 一方、科学、数学は順位こそ上がったが、統計的には前回と差はなく、横ばいとの位置づけだ。文科省は「順位の落ち込みが激しかった読解力の対策が先に進んだため」と分析。09年度から先行実施されている小中学校の新学習指導要領で理科と算数・数学の学ぶ内容や授業時間が増えており、その効果が測れるのは次回以降としている。

 各国の状況をみると、上位にはアジアの国・地域が並んだ。国全体ではなく一都市として参加できる制度を利用して初参加した中国の上海が、3分野とも2位以下を大きく引き離してトップに立った。

 同じく初参加のシンガポールも3分野で2~5位と好成績だった。

 3分野とも、上位5位に入ったのはフィンランドを除くとすべてアジア勢だった。特に数学的リテラシーは、上位5位に上海、シンガポール、香港、韓国、台湾が入り、3分野を通じて初めて上位5位までをアジア勢が独占した。

 この5カ国・地域と比べると、日本は読解力と科学的リテラシーで成績最下位層が最も厚く、数学的リテラシーでは最上位層が最も薄い。


PR
この記事にコメントする
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリー
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]
Copyright(C) 教育のニュースとか All Rights Reserved