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植栽・維持管理は住民 地域一体感はぐくむ
島根県松江市が市民と協働で2008年度から取り組んでいる小学校校庭の芝生化事業が、注目を集めている。
事前の施設整備や苗購入などは行政が行い、芝生化後の維持管理は住民ら。年間維持費は数十万円ですみ、維持管理を通して地域の一体感も高まるため、新たな街づくりの在り方として、他府県からの視察も相次ぐ。市教委は「この『松江方式』が、全国の芝生化のモデルになれば」と期待している。
転んでもけがをしにくい芝生の校庭は、子どもらが伸び伸びと運動でき、体力向上につながるとされる。芝生化の方法も、苗を数十センチ間隔で植え付け、生育に伴って一面に広がるのを待つ「鳥取方式」が費用も抑えられると普及している。
松江市の場合、1校を2年間かけて芝生化。1年目は送水パイプやスプリンクラーなどを市が整備し、2年目に鳥取方式で苗を植栽。維持管理は住民ら主体のボランティア組織が行う。芝生化を目指す市立31校中すでに10校で植栽を終え、残る21校も13年度までに終える計画だ。
施設整備や苗購入の初期費用は、1校あたり約700万円。植栽や維持管理は業者に代わって住民らが行うため、年間の維持費は約40万円ですむという。こうした取り組みが評価され、同市は7月、日本サッカー協会の芝生特区第1号にも選ばれた。
松江方式を広めようと、市教委は6月、研修会も実施。石川、兵庫、香川、福岡県などから教育関係者延べ約210人が参加し、市立玉湯小で植栽などを学んだ。視察団体も09年度の数件から、今年度は約20件に急増。今夏の猛暑で熱中症が急増したのを機に、芝生の照り返し防止効果に注目が集まったとみられる。
校庭一面の芝生がまぶしい市立朝酌小では、けがで保健室を訪れた児童が09年度286件と、植栽前の08年度から約3割減に。6年青山志穂さん(12)は「はだしで駆け回ることもある。砂ぼこりも立たず、寝転がったり、日なたぼっこができたりして気持ちいい」と笑顔を見せた。
市教委では引き続き研修会の開催を検討しており、「子どもが元気に遊ぶ姿は地域の活力にもなる。ぜひ松江方式を参考にしてほしい」としている。
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