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首都圏や関西圏にある私立中学の男子校、女子校が次々と共学に衣替えしている。景気悪化の影響などで受験熱にかげりが見えたことに加え、公立の中高一貫校の台頭もあって、志願者数が減り私立中も大学と同様に「全入」状態になってきたからだ。上位校以外の学校では定員割れも続出しており、受験者の確保に必死だ。
11月3日実施された首都圏3大模試の一つ「首都圏模試センター統一模試」。この日の受験者は約1万6千人で、昨年同時期より3.7%(614人)減った。他の大手進学塾の模試の動きも勘案し、関係者の間では「来春の中学受験に挑戦する児童は今春よりも3~4%減る」との見方が強い。
同センターの推計では、首都圏の私立中全体の定員を受験者数で割った「合格率」が、2008年は89.1%だったが、10年には98.4%に。学校を選ばなければどこかに入れる時代に入った。
樋口義人社長は「受験生の減少は、景気の悪化に加え、進学実績で復権してきた公立高校や人気の公立中高一貫校に流れている影響だ。中堅・下位校は定員割れが増えており、今後は合併や有力大グループ入りなどが増えていくだろう」と話す。
1999年度、全国625の私立中のうち男子校は115校、女子校は250校だった。それが09年度には全体の学校数が724校と100校近く増えたのに、男子校は21校減の94校、女子校は34校減の216校。10年前に全体の約41%だった共学校が約57%に増えた。
一部を共学化した東京都市大等々力(東京都世田谷区)は、女子校だった昨春は定員割れした。だが、今春は60人の定員で新設した共学部を約1千人が受験。二瓶克文教頭は「高い競争率を乗り越えた優秀な生徒を集めることができた。共学化しただけでなく、徹底した学習支援などを採り入れた教育方針が広く受け入れられた」と話す。
創立から80年間女子校だった貞静学園(東京都文京区)は来春、男子を受け入れる。高橋忠良校長は「元女子校の特徴を生かし、男女共同参画社会の流れに合わせたい。男子にも茶道や華道を勉強してもらう。募集の対象が2倍になるので、経営の安定につなげる狙いもある」と語る。
男子校の上宮(大阪市)も来春、高校とともに共学化する。今年の入試説明会の参加者は中学は昨年より5割増、高校は3倍に増えた。高校の田中裕史教頭は「女子だけでなく、男子校は嫌だと思っていた男子も来てくれているようだ」と手応えを感じている。
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