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 千葉県は新年度予算案に、「ひきこもり地域支援センター」設置費として、700万円を計上した。

 厚生労働省によると、同様のセンターは19都道府県、9政令市にすでに設置されている。臨床心理士やスクールカウンセラー経験者がひきこもり本人や家族から電話で相談を受け、学校や雇用などの問題別に適切な専門機関を紹介し、症状の悪化を防ぐのが狙いだ。

 県障害福祉課によると、国の試算では、県内に約3万4000人のひきこもりがいるとされる。学校や職場などでのトラブルで、20歳代までにひきこもりになるケースが多いという。親が高齢化し、世話をする人の問題も生じている。

 ひきこもりは原因が複数ある場合が多く、家族から「どこに相談していいか分からない」という意見が県に寄せられていた。専門機関の対応できる問題は限られており、早期に適切な機関へ相談できず、症状が悪化する場合もあるという。

 このため、県内のひきこもりの家族らで作るNPO法人「KHJ千葉県なの花会」が数年前から、問題に一括して対応する相談窓口の設置を県に求めていた。センターは7月以降、千葉市中央区の県精神保健福祉センター内に設置予定。相談時間は平日午前9時~午後5時。無料になる見通し。

 ひきこもりやニートを支援するNPO法人「ニュースタート事務局」は「相談することへの垣根が低くなる」と歓迎。県障害福祉課は「相談するか迷い、二の足を踏んでいた人たちに、いち早く適切な機関を紹介し、症状の緩和につなげたい」と話している。

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 「天に学び地に学び人に学ぶ、天を学び地を学び人を学ぶ」。宮崎県には平成6年、公立で初めての中高一貫校、県立五ケ瀬中等教育学校が誕生した。これは同校の創設の言葉だという。

 天孫降臨など神話の舞台として知られる高千穂町にも近い、九州山地の自然に囲まれた五ケ瀬町に同校はある。1学年40人。6年間、全寮制で過ごす。

 開校の年に同校を訪れ、1期生の中学1年生から話を聞いたことがある。寮生活当初ホームシックになる生徒もいたというが、「自然がいっぱいの、この学校でどうしても勉強したかった」「親元から離れて、自分の力を試したかった」と頼もしい声があった。

 地元の人を講師にわらじづくりや森林学習など同校ならではの体験学習も重視。寮生活ではハウスマスターと呼ばれる若手教員らがサポート。先生は「一生を通してつきあえるような友人との思い出が多くなるのでは」と話してくれた。

 開校から17年。周りに塾はないが東大、京大を含め進学実績があり、県庁や医師、教員など地域で活躍する卒業生も多いという。

 宮崎は県全体でも歴史文化や郷土に尽くした先賢、人情豊かな人々とのふれあいを通じ、ふるさとを学ぶ教育に力を入れている。


 核兵器の維持管理を主目的に設立された米国の研究施設で、大阪大が来年にも共同研究を始める。世界一とされる強力なレーザーを使い、恒星が燃え尽きた最期に起きる「超新星爆発」を地上で再現し、しくみの解明に役立てる。

 恒星の内部では、水素やヘリウムなどの軽い元素が融合して重い元素がつくられる「核融合」が起きている。星の最期には、重い元素が重力で収縮して超新星爆発が起きる。阪大の研究は、爆発の際に衝撃波や宇宙線が発生するしくみを、レーザーによって再現して確かめる。

 エネルギー省の核兵器研究所「ローレンス・リバモア国立研究所」にある「国立点火施設」(NIF)が昨年、基礎物理の共同実験を国際公募。阪大の1件を含む12件が採択された。

 NIFはラグビー場ほどの大きさの実験施設に192本のレーザーを備え、光を一点に集中させて水素などに照射して核融合を起こし(点火)、水爆と同じ状態を人為的に作り出すのが主目的で、約4千億円をかけて2009年に完成した。

 主に経年劣化した核兵器の爆発性能を確かめる実験に使われ、1年半以内の「点火」実現を目指す。点火の必要のない基礎物理研究も行われる。NIFがつくる超高温、超高圧の状態は輝く星に近い環境とされる。

 交渉に当たった阪大レーザーエネルギー学研究センターの疇地(あぜち)宏センター長は、「研究内容は軍事と無関係の基礎科学なので問題ないと判断した」と話す。採択したのはNIFの外部の人でつくる委員会で、透明性は高いという。

 NIF側は今回、基礎研究だけでなく、点火を目的とした共同研究も日本に申し入れた。阪大側は前向きに検討したが、実験の所管がエネルギー省内の国家核安全保障局という軍事部門だったため、軍事研究に加担したととられかねず、断念したという。

 NIFが国際公募したのは、軍事研究費削減の圧力が強まる中、他国を取り込んで予算を確保しやすくする狙いがあるものと見られる。阪大も、40年前からレーザー核融合の研究を続けてきたが、研究費はかつての1割ほどになっている。



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 公立の中高一貫校が誕生して10年余りがたった。進学実績を売りに全国的に増え続けているが、一方で高校受験がないことによるモチベーション低下など課題も出てきた。公立中高一貫校が多い新潟県で現状を取材した。

 ◆多量の学習、進度速く

 「『sell(売る)』の過去形は何ですか」。新潟県上越市の県立直江津中等教育学校。内藤雅代教諭(37)が英語で質問すると1年生の手が一斉に挙がった。「soldです」。「そう、チケットが売り切れた時なんかによく目にしますね」

 1クラスを二つに分けた20人の少人数指導で、授業はテンポ良く進む。英語と数学はほぼ毎日授業があり、前期課程(中学)の英・数の学習量は普通の中学の1・5倍。昨年末には1年生の英語の学習範囲が終わり、取材した1月中旬には2年生の最初に習う「過去形」に進んでいた。1コマが55分間と日々の授業時間が長く、補習も多い。

 開校は07年4月。隣接する糸魚川市や妙高市から通ってくる生徒も多く、半数近くが電車通学だ。国立の上越教育大付属中学校を除けば、地元の公立中学に進むしかなかった地域の小学生にとって、進学先の選択肢が増えた。

 学校教育法の改正で公立の中高一貫校が生まれたのは99年。学習指導要領は適用されるが、後期課程(高校)の学習内容を前期課程で前倒しして教えるなど、ある程度の弾力性が認められている。高校入試の準備がないため、授業進度も速い。県内には新潟市立1校を含め7校の中等教育学校と、高校に中学を設置した併設型1校の計8校の公立中高一貫校がある。中等教育学校に限れば数は全国最多だ。

 事実上の「学力検査」と批判される「適性検査」は実施せず、作文と面接、一つの課題に数人で取り組ませる「グループ活動」の三つで選考する。

 それでも入学後の豊富な学習量で安定した大学合格実績を出している。すでに卒業生が出ている3校の一つ、柏崎市の柏崎翔洋中等教育学校では、09年春に卒業した1期生69人中29人が、昨春の2期生は77人中28人が国公立大に進学。2年連続で東京大合格者も輩出した。

 ◆高校入試ない難しさ

 中高一貫校にとって課題は何か。柏崎翔洋中等教育学校の志田重道校長が挙げるのが生徒の「中だるみ」だ。高校入試がないため、モチベーションを維持できない生徒もいて、結果として生徒同士の学力格差につながる。武庫川女子大の河合優年教授らの研究チームが全国の中高一貫校25校を対象に実施した調査では、昨春までに卒業した中高一貫校の卒業生約500人のうち約6割が「中だるみがあった」と答えている。

 対策として柏崎翔洋中等教育学校は2年前から、中学3年間を範囲とした5教科の達成度テストを3年生の夏に実施することにした。正解率7割の合格ラインに達しなければ、合格するまで補習を課す。1回目で全教科合格するのは3年生全体の1割強というハードルの高さだ。

 だが、こうした充実した教育や進学実績にもかかわらず、公立中高一貫校という学校形態が新潟で完全に定着したとは言い難い。先般行われた11年度入学者選抜の志願者数は8校中6校が前年度より減少し、うち2校で志願倍率が1倍を切った。

 県内の塾関係者は「首都圏のような中学受験の土壌がまだないし、成績上位者は今も以前からあったトップ校を目指す」と解説。県立7校の志願者は4対3で女子が多いが、一般に中高一貫校がスポーツの部活動に力を入れていないことも男子に不人気な理由に挙げる。県教育庁高校教育課は「海外研修や伝統芸能など体験活動も多い。勉強だけではないことをもっとアピールしていきたい」と話している。

 ◇あり方巡り中教審で議論
 文部科学省によると、現在、富山、長野、鳥取を除く44都道府県に計176校の公立中高一貫校がある。内訳は、(1)一つの学校として6年間教育する「中等教育学校」が28校(2)中学と高校を併設し、入試を経ずに高校に進学できる「併設型」が68校(3)中学と高校が連携して一貫的な教育を行う「連携型」が80校。

 同省が昨年3月に全国の中高一貫校を対象に行ったアンケートでは、70%が「高校入試がないため学習意欲の向上で
課題がある」、74%が「生徒間の学力差」、23%が「男女比のバランス」を課題に挙げた。また、中等教育学校の67%、併設型中学校の87%が適性検査を実施。10年度の入試倍率が6倍を超えた学校が17校に上るなど受験競争が激化した地域もあり、現在、中央教育審議会の部会で中高一貫校のあり方を巡る議論が行われている。

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