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 柔道の練習中に命を落としたり、重大な障害を負ったりする子どもが後を絶たない。中学・高校の授業や部活動に限っても、近年は年平均4人が死亡しているというデータもある。柔道や剣道が全国の中学校で必修化される2012年度を目前に、子どもの命を守る早急な取り組みが求められている。

■中高とも、1年生に多い事故

 「柔道関係者が事故撲滅に真剣に取り組むには、まだ犠牲者が足りないとでも言うんでしょうか」。1月中旬、大阪市内で開かれた「全国柔道事故被害者の会」のシンポジウム。大阪府茨木市の高瀬典子さん(45)が声を震わせた。

 3年半前、当時高校1年生だった長男啓太さん(19)が学校の課外活動での昇段試験後に意識不明になった。急性硬膜下血腫だった。「将来は学校教諭として柔道部の顧問になるのが夢」と話していた。でも、今も意識が戻らない。

 シンポジウムの約2カ月前には、大阪市此花区の民間の柔道教室で小学校1年生の男児(当時6)が練習中に意識不明になり、死亡したばかりだった。大阪府警は今月9日、受け身も十分にとれない初心者なのに、繰り返し投げる過失があったとして、指導者ら2人を業務上過失致死の疑いで書類送検したが、事故の刑事責任が問われない例も多い。

 被害者の会は1年前、同じ境遇に置かれた家族らが集い発足した。事故の実態を広く知ってもらい事故防止につなげる狙いだ。会長の小林泰彦さん(64)も、約6年前に横浜市立中学に通っていた三男(21)が部活動中の事故で高次脳機能障害を抱えた。「私たちは柔道が憎いわけではない。子どもが好きだった柔道だからこそ安全管理を徹底してほしい」と訴える。

 愛知教育大の内田良講師(教育社会学)が独立行政法人日本スポーツ振興センターの統計をもとにまとめたところ、記録が残る1983年度以降、学校の授業や部活動での柔道事故は、少なくとも死亡が110件、後遺症の残る事故は261件にのぼる。

 部活動ごとの事故死亡率(99~08年度)を見ると、中学では柔道が10万人あたり1.88人で、2番目に高いバスケットボール(同0.29人)の約6.5倍。高校では同2.81人に上り、ラグビー(同3.62人)に次いで高い。

 内田講師は柔道の場合、中学、高校とも1年生に事故が多い点に注目する。「入学直後で技術的に未熟な段階での事故が多いのではないか。指導者はもちろん、学校全体で安全への意識を高めるべきだ」と話す。

■12年度からは必修

 学習指導要領が改訂され、2012年度からは柔道や剣道などの武道が全国の中学校で男女ともに必修化される。「日本固有の伝統文化の振興を支援する」(教育振興基本計画)ためだ。しかし、指導者や設備は十分とは言えず、教育現場からは不安の声があがる。

 必修化のパイロット校に選ばれ、昨年度から柔道の授業に取り組む大阪府高槻市の市立第七中学校は、国の補助などで80畳の畳や40人分のヘッドギア、衝撃を和らげるセーフティーマットを購入した。地域の柔道教室で指導する外部講師らも招き、最低3人態勢で授業にあたる。

 「とにかく生徒に無理をさせない。危険な行為をしないように常に隅々まで目を配っている」と堀川清教諭。永尾好輝校長は「設備や器具の整備などはまだまだ足りないが、うちは恵まれている方だ。近隣校からは、必修化でやっていけるのか不安だと、多くの相談が寄せられる」と話す。

 相次ぐ事故に全日本柔道連盟(全柔連)も危機感を抱く。06年には指導者向けに、練習の計画づくりや事故時の対応を具体的に記した冊子「柔道の安全指導」を発行。中学での武道必修化などをふまえ、今春をめどに冊子の改訂作業を進め、頭を強く揺さぶった時に起きる脳腫脹(しゅちょう)などの症状も詳述する予定だ。

 日本の事故の状況は、今月初めパリで開かれた国際柔道連盟の理事会でも議題にのぼった。全柔連は将来的に、指導者に資格制度を導入することも検討中だ。

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 大阪、京都、兵庫の3府県の私立高校で10日、平成23年度の入学試験が一斉にスタートした。大阪では、府の無償化拡充策の影響で長年低迷していた私立高校の専願率が12年前の水準まで回復しており、私学関係者は「同レベルの学校であれば、より特色のある学校が選ばれる傾向にあるのではないか」と分析している。

 大阪府内でこの日、入試を行ったのは92校。大阪私立中学校高等学校連合会によると、専願率は27.02%で、過去最低を記録した21年度から6.04ポイント増加した。平均倍率は3.45倍で前年度なみの水準となっている。

 大阪市天王寺区の清風高校では、午前8時に開門されると、受験生たちが次々に試験会場の教室へ。9時の試験開始の合図とともに、緊張した面持ちで問題に取り組んだ。平岡英信校長は「日ごろの努力の成果を十分に発揮して、悔いの残らないように頑張ってほしい」と話していた。

 大阪府は23年度の新入生から、授業料無償化の適用世帯を年収610万円未満まで拡大。年収800万円未満の世帯は年間自己負担額を10万円とする補助策を導入する方針。


 さまざまな細胞になる人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、ヒトの生殖細胞を作る慶応大などの研究計画を、学内の倫理委員会が承認していたことが9日、分かった。今後、文部科学省に届け出た後、研究を始める。実施されれば、昨年5月に国内でiPS細胞などをもとにヒトの生殖細胞を作る研究が解禁されてから初の着手となる。

 研究計画は慶応大の岡野栄之教授と、加藤レディスクリニック(東京都)が、iPS細胞を精子などの生殖細胞に分化させる方法や生殖機能の仕組みを探る目的で申請。慶応大の生命倫理委員会は、iPS細胞から分化した細胞の保管管理を徹底することなどを条件に承認した。


 給食費や保育料だけでなく、修学旅行の費用や教材費も子ども手当から天引きされることになりそうだ。厚生労働省が10日にあった自治体向けの会議で、検討する方針を示した。保護者の同意を前提としているが、原則月1万3千円の手当は、ほとんど手元に残らないかもしれない。

 厚労省は自治体の要望を受けて、4月分の子ども手当から保育料や給食費の徴収を認めた。この日の会議では、これに加えて(1)幼稚園の授業料(2)小中学校の教材費や学級費(3)児童・生徒会費(4)修学旅行費――なども、保護者の同意があれば徴収できるようにする考えを示した。

 天引きできる項目は、子ども手当法が成立した時点で省令で定める。どの項目を天引きするかは、自治体が判断することになる。

 また、今回の子ども手当法案では、海外留学中の子どもにも手当が支給されることになるが、厚労省は留学開始から3年間までが支給対象と説明。中学卒業までに帰国すれば、再び支給対象になる。

 福島県教委は新年度から、小中学生の学力向上策を強化する。

 福島県の児童・生徒が苦手とされている算数・数学に重点を置き、地域ごとに専門的な知識と指導力を持つ教員「コアティーチャー」を育成するなどしてテコ入れを図る。ボランティアの講師も活用して苦手な子供の個別指導も行う。さらに、学習状況や問題点を把握するため、県独自の学力テストを実施し、授業の改善に役立てる。

 これらの学力向上策は、全市町村の教育長を集めて9日に開かれた「ふくしま教育長協議会」で県教委が明らかにした。関連経費は前年度比約7倍の4907万円に上り、2011年度の県予算案に計上されている。

 福島県は全国に先駆けて02年度から少人数教育を導入してきたが、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では算数・数学が全国平均に比べて低迷。県議会で「少人数教育は効果があったのか」などと疑問の声が出ていることもあり、県教委は危機感を強めていた。

 県教委は、現状について、算数・数学で高い専門性や指導技術を持つ教員が不足していると判断。県内の7教育事務所の管内ごとに、教員の指導役となるコアティーチャーを育成することにした。7地域から小中学校合わせて各5人程度を選出、専門的な研修を受けさせて3年間で計100人程度を育成する。研修では、福島大で理論を学んだり、同大付属小・中学校で教育実習を行ったりする。

 また、算数・数学が苦手な児童・生徒を個別指導するためのボランティア講師「学習サポートティーチャー」の派遣も始める。11年度は県内7地域から1市町村ずつを選んで、県の費用負担で大学生や教員OBなどを送り込む。放課後や夏・冬休みの指導を中心とし、予習・復習を習慣づけるのが狙いだ。

 県独自の学力テストは全ての小学5年と中学2年の計約4万人が対象で、11月中旬に実施する。教科は小5が国語、算数、理科で、中2は国語、数学、英語。知識と応用力の両方を問う問題とし、テストの結果は市町村別に公表する方針。

 学力向上策が示された教育長協議会は、各市町村の教育長が集まる場として新設されたもので、この日が初会合。各教育長から県教委に対して率直な意見が出され、中でも学力テストについては「教育イコール学力という考えはいかがなものか」(磐梯町)、「テストで競争させれば学力が上がるという時代ではない」(大熊町)など否定的な声も上がった。

 これに対し、遠藤俊博・県教育長は「県教委が何かするのだろうというのではなく、学力について各市町村の中で議論を広げてほしい」と述べ、理解と協力を求めた。

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