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 4月に小学校で新学習指導要領が全面実施されて学習内容が増えることに、どう対応するか。ベネッセ教育研究開発センターがアンケートをとったところ、小学校の教員の6割強が「ポイントを絞って教える」と答えた。教員らは現在でも「基礎的・基本的な知識の習得」に重点を置いていると答えており、児童の負担を極力増やさないように工夫しようとしているようだ。

 同センターは昨年8~9月、全国の公立小中学校の校長と教員にアンケートを送り、約6600人から回答を得た(回収率26%)。

 学習内容が増える教科での対応を小学校教員に聞いた設問(複数回答可)では、「教科書の内容のうち、ポイントを絞って教える」が63.5%。特に教職経験30年以上のベテラン教員では75.6%に達した。一方、10年目以下の教員は「全体的に授業の進度を速める」も多く、経験の差による考え方の違いが出た。

 小中とも6割を超える教員が「児童・生徒の学力格差が大きくなる」と予想する。

 このため、1998年の同種調査と比べ、教員が重視する点は「強制してでも学習させる」「授業の楽しさを多少犠牲にしても、学問的に重要な事柄を押さえる」「一人前の大人になるために必要なことを教え、訓練する」が増え、「自発的に学習する意欲や習慣を身につけさせる」「学問的に重要な事柄よりも、子どもが楽しく学べる授業にする」「子どもの持っている可能性が開花するのを支援する」が減った。

 新指導要領は課題を設定して調べ、まとめる「探究的な学習」にも力点を置くが、探究的な学習を進めることには5割強が不安を訴えた。

 同センターの担当者は「学力格差などから個別の対応が必要な子どもが増えており、探究的な授業を進めたい気持ちはあっても、実際には基礎基本に力を入れざるを得ない先生が多いようだ」と話す。


「超氷河期」といわれる大学生の就職戦線ですが、日本経済団体連合会(日本経団連)が、就職活動の日程の見直しに動き始めました。就職活動が長期化して大学教育が空洞化するという批判を受けたものです。しかし、経済界の一部には、日本経団連の方針よりも、もっと時期を遅らせるべきだとする声もあります。

保護者の世代にあった「就職協定」は、1997(平成9)年に廃止されました。現在は、企業の自主性を尊重した「倫理憲章」によって、就職活動の日程が決められています。現行ではおおむね、大学3年生の秋ごろからインターネットによる応募などの就職活動が始まり、4年生の4月1日から面接などの選考活動を開始し、5月ごろに「内々定」、10月1日から「正式内定」が出る、という日程になっています。

これに対して、日本経団連は、2013(平成25)年4月の入社予定者から、インターネットによる応募受付など、広報活動の開始日を、3年生の「12月1 日」として、現行よりも2か月程度、遅くすることにしました。ただし、面接試験などの選考活動の開始日は、従来通り4年生の「4月1日」のままとしています。

日本経団連が、就職活動の実質的なスタートラインとなる「広報活動」の開始日を12月1日としたのは、大学教育の空洞化が、企業にとっても無視できなくなりつつあるからです。大学4年生の終わりごろまで就職先が内定しない場合、大学生はほぼ1年半を就職活動に費やすことになります。さらに企業の一部では、 3年生の夏休み前から会社説明会などを行うところも出てきており、このままでは、大学4年間のうちのほぼ2年間を就職活動に充てるということにもなりかねない情勢になっています。これでは、「大学」生を採用する意味がありません。

国立大学協会や、日本私立大学団体連合会などは、就職日程のさらなる繰り下げを求めています。特に私大側は、広報活動の開始を「3年生の3月以降」、選考活動を「4年生の8月以降」とするのが望ましいとしており、日本経団連の方針とは大きな開きがあります。

また、同じ経済界の中でも、経済同友会は、選考開始日を「4年生の8月以降」にすべきだとして、日本経団連の方針を批判しています。これに対して日本経団連は、選考開始日を現行より遅くすると、大企業の内定後に始まる中小企業の採用活動に影響が出ることや、内定が出ない学生の就職活動期間が足りなくなることなどを、現行日程維持の理由として挙げています。

大学教育の空洞化を、大学側・企業側の双方が懸念しているものの、具体的な日程変更は、経済界内部も含めてそれぞれの考え方の違いもあり、調整が難しいようです。いずれにしろ、選考開始日を現行通り4年生の4月1日とするか、あるいはもっと繰り下げるかが当面の焦点となりそうです。


 公立小中学校の教員のうち、常勤や非常勤講師の「非正規教員」が今年度10万9000人となり、教員全体の15・6%と過去最高になったことが文部科学省の調査で分かった。人件費抑制や少人数指導のため、各自治体が給与水準の低い非常勤講師らを年々増やした結果で、学校現場の6~7人に1人となる計算だ。非正規教員は、期限付きで雇用が不安定な上、研修不足や長期的な視点での指導がしにくいなど、教育の質の低下につながる恐れも指摘されている。

 文科省によると、昨年5月1日現在の公立小中学校の教員数は69万9567人。内訳は正規教員58万8794人▽常勤講師5万9150人▽非常勤講師4万9835人▽その他1788人で、常勤と非常勤を合わせた非正規教員は10万8985人。05年度からの6年間で正規教員は約8000人減ったが、逆に非正規教員は05年度の8万4305人から、06年度9万1582人▽07年度9万5662人▽08年度9万9666人▽09年度10万5132人--と年々増加している。

 各自治体が非正規教員を増やすのは、財政難による人件費圧縮だけではない。団塊世代教員の大量退職でできた穴をすべて正規で埋めずに、一定数を非正規に切り替えることで、中高年に偏ってきた教員の構成のバランスを取る狙いがある。

 さらに、01年度から正規教員1人分の給与で複数の非常勤講師を雇うことができるようになるなど、制度的な変更も後押しした。01年度からは都道府県独自に、06年度からは市町村独自に国の基準(1学級40人)を下回る少人数学級の編成が可能になったことで、自治体が自前で教員数を増やしたことも拍車をかけた。

 非正規教員の増加は、習熟度別授業や複数の教員で授業を見るチームティーチングなどの手厚い指導を可能にした半面、教育の質低下を生む不安もはらんでいる。非正規教員は、正規教員のような研修制度はほとんどない。次年度も同じ学校にとどまる保証はなく、学校によっては担任が毎年交代することにもなる。

 一方で、正規教員の採用が減った結果、学校現場には塾講師などのアルバイトを掛け持ちしなければ生活できないような貧困層の教員も出てきた。「長期的な視点で指導ができない」「職員会議に参加できず子供たちのことが分からない」などの声も上がっている。

 文科省は「非正規がすべて悪いわけではないが、正規教員の方が望ましい。文科省としては教員の基礎定数を増やして、都道府県が正規の教員を雇用しやすい環境にしていきたいと考えている」と話している。


 論語の精神を子どもたちに伝えようと、元北海高校の英語教諭、新田修さん(66)が、「寺子屋・こども論語塾」を開塾した。40年間の教員生活でいじめや学級崩壊などの問題に接し、改めて論語の教える規範意識や思いやりの心を育む必要性を痛感したという。新田さんは「論語を読むことで言葉が体に染みつき、年を取るにつれ、必ず人生に生きてくる」と話す。

 札幌市北区の北大寺に、塾生の幼稚園児や小学生ら25人と、その保護者計50人が集まった。20~30分の座禅で心を落ち着かせた後、論語を読み始める。「子のたまわく……」。子どもたちの大きな声が本堂に響き渡る。

 論語は、孔子と弟子の問答からなる。新田さんは専門書を読みながら独学し、お手製の現代語訳も作った。子どもたちにも分かりやすい説明を心がける。

 新田さんは、英語教諭として40年間、北海高校に勤めた。弁論部顧問や生徒指導などを担当した。なくならないいじめや学級崩壊、児童虐待などの問題に心を痛めた。一方で「問題があっても、生徒との対話を避ける先生も増えている」との思いもあった。

 ある日、弁論部の生徒に「論語って何?」と聞かれたことがあった。そして改めて論語と向き合った。孔子の説く思いやりの心や、親子、師弟の規範意識。孔子は弟子の問いに、弟子の個性を踏まえながら的確に答える。「信頼関係に支えられた師弟に、理想的な教育の姿を見た」

 いつしか論語塾を開きたいと思うようになり、2007年の定年を機に、東京の論語塾を見学、教員時代の教え子らと開塾準備を進めた。北大寺の協力を得て昨年12月に塾を始めた。

 「今は論語を読んでも、言葉の意味は分からないだろう。しかし、言葉は心に長くとどまり続ける。子どもたちは人生を歩むにつれ、言葉を反芻(はんすう)し、自ら意味を見いだすに違いない。論語の心を伝えることに残りの人生を使いたい」と新田さん。

 参加費は一家族500円。毎月第3土曜日に北大寺で。問い合わせは世話人会代表・高島篤さん(090・1385・6089)へ。

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