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 文部科学省は「体育の日」を前に12日、体力・運動能力調査で、中学生と高校生の体力が緩やかに向上しているとの分析結果を発表した。

 1985年度をピークに下降線をたどった中高生の体力は、98年度からの10年で回復基調に転じたという。小学生は依然、低水準のままだが、体力低下に危機感を抱く教育現場が体力向上に取り組んできた効果の表れとみられる。

13歳男子50メートル走 10年で0秒06速く

 調査は64年度から毎年実施しており、中高生約1万7000人、小学生は約1万3000人が対象になった。

 同省によると、体が発育段階にある小学生に大きな変化はみられなかった。しかし、中高生は98年度との比較で、13歳男子の50メートル走平均が8・00秒から7秒94になるなど、計8項目の総合点で向上を見せた。

 調査にかかわった順天堂大の青木純一郎名誉教授は「中高生はピーク時に比べるとまだ隔たりはあるが、回復基調にあることは確か」としている。

 ◆授業に「鬼ごっこ」 * 専門の家庭教師

 教育現場も親も危機感

 子供の体力低下に危機感を募らせる教育現場では、体育の授業に「鬼ごっこ」を取り入れるなど様々な取り組みを行う。また、経済的に余裕のある家庭では、体育の家庭教師がはやり始めたという。

 晴天に恵まれた今月7日、東京都中野区立江古田小学校。校庭では「やったー」「捕まえたぞ」と児童たちの歓声が響いた。3年生60人。ボールを抱えた男児が、腰に翻る旗に見立てたハンカチを取られまいと体をくねらせ、相手陣地を目指す。

 この鬼ごっこによく似たゲームは、「フラッグフットボール」。アメリカンフットボールを元に考案されたスポーツだ。ゲーム漬け、塾通いで外で駆け回ることをしなくなった子供たち。同小は体力低下に少しでも歯止めをかけようと、2006年度から体育の授業に取り入れた。運動の苦手な子供でも、息を切らせて必死に走り回るという。野呂文広校長は「遊び感覚で楽しめるところが効果的。空き地で鬼ごっこをしていたころは不要だったのでしょうが」と話す。

 日本フラッグフットボール協会(東京)によると、昨年度までに講習会に参加した学校関係者は4000人。今年改定された新学習指導要領の解説書にも、体育の「推奨種目」として盛り込まれた。

 「体力不足への危機感は、家庭にも広がっている」と語るのは、体育の家庭教師の派遣会社「スポーティーワン」(東京・千駄ヶ谷)役員、野村朋子さん(31)。同社に体育大の学生ら250人が登録されている。会社近くの競技場を借りて体育教室も開いており、01年の設立当初100人だった子供は現在1200人に増えたという。

 桜美林大の山口有次准教授(スポーツ健康学)は「子供の場合、すぐには体力向上につながらないが、長い目で見れば成果が出てくる。幼少期にはどんどん体を動かした方がいい」と推奨する。

 ただ、体力低下の原因としては、夜更かしや朝ごはんを食べないなど、生活の乱れがあるとも指摘されている。

 教育評論家の尾木直樹さんは「寝不足や空腹で体育の授業を受けても身につかない。運動すると同時に生活習慣の改善も促していかねば」と話している。


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