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 大阪府の橋下徹知事は16日、全国学力テストの市町村別結果の開示を求める情報公開請求に対し、科目別平均正答率の公開を決定し、請求者に開示した。ただ、市町村としての自主判断で正答率に関する数値を非公表としたり、公表について態度を決めていない11の自治体については非開示とし、テストの参加主体である市町村側の判断を尊重した。都道府県知事が市町村別の結果を開示するのは全国で初めて。

 橋下知事が開示したのは、08年度に実施された学力テストの科目別正答率と児童・生徒の生活習慣に関するデータ。

 府内43市町村のうち、小、中学校ともに科目別の開示対象となったのは32市町。自治体側が科目別を公表している24市町に加え、設問別正答率しか明らかにしていない8市の数値も開示した。この理由について橋下知事は「設問別からは科目別を容易に算出することができ、非開示理由に当たる数値とはいえない」と説明。一方、自治体側は「一方的な公開は遺憾」(枚方市)、「特に影響はない」(泉大津市)などとしている。

 非開示となったのは、科目別と設問別の両方を非公表とした6市町と、態度未決定の2市町。「域内に1校しかない」との理由で中学校だけを非公表としている3町村については、自治体判断と同様、小学校分しか明らかにしなかった。

 また、生活習慣のデータは「就寝時間が遅い児童」などの割合を示す数値で、全市町村分を開示した。

 文部科学省は局長通知やテストの実施要領などで、都道府県教委に対し、学力テストの市町村別結果を公表しないよう求めている。市町村がテストに参加しなくなることや、「序列化や過度の競争」の要因になりかねないことが理由。一方で、各市町村が自主的に結果を公表することは容認している。

 大阪府は学力テストの結果が2年連続してすべての科目で全国平均を下回り、橋下知事の意向を受けた府教委が、市町村教委に対してテスト結果を自主的に公表するよう要請していた。学力テストの結果を巡っては、秋田県教委が自治体名を伏せたうえで市町村結果を開示することを決定。鳥取県南部町教委は学校別の平均正答率を情報公開請求した住民に開示している。

 ◇大阪府教委から事情聴く方針…文科省

 自主判断で非公表を決めている市町村の結果を非開示とした大阪府の対応について、文部科学省の担当者は「一定の配慮の跡は見える」と評価する一方、「府内の市町村がどう反応しているのかなど具体的に聞いておく必要がある」として、府教委から事情を聴く方針を示した。

 担当者は「最終的に知事の判断だったとしても、府教委とのすり合わせなどはあったはず」として、(1)過度の競争や序列化が生じるおそれについてどう判断したのか(2)市町村との信頼関係が揺らぐことはないのか--などについて、「府教委から直接説明を受けたい」としている。

 また文科省の銭谷真美事務次官は16日の会見で、「現時点では詳細を承知していない」と断った上で、「市町村別結果の公表はあくまで市町村教委の判断に委ねられるべきだ。(府による市町村別結果公表は)実施要領では想定していない」と述べた。来年度の実施に向けては「公表のあり方を含め、専門家の意見も踏まえて十分検討したい」とした。

 ◇全国学力テスト

 正式名称は「全国学力・学習状況調査」。小学6年と中学3年を対象に、文部科学省が実施する。国語、算数(数学)それぞれにA(知識)、B(活用)の2科目があり、小、中あわせて8科目にわたる。科目別平均正答率は、市町村・学校など集団ごとの各科目の平均値。文科省は正答率や生活習慣と成績との相関関係を分析したデータなどを都道府県教委、市町村教委、各学校に提供する。


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