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 教員の資質向上を目指して設置された国立の教職大学院で定員割れが深刻化している。文部科学省の調査では、08年度は15校中4校、09年度は18校の3分の1に当たる6校で定員割れしており、このうち4校は2年連続だった。私立大を含めた志願倍率は両年度ともに1・3倍と低迷しており、教員を目指す学生にとって教職大学院が魅力の薄い存在になっている。大学からは「大学院で学ぶメリットが明確でない」と制度そのものを疑問視する声も上がっている。

 教職大学院は「力量のある教員養成」を目的に08年度以降、全国で開設され始めた。08年度は東京学芸大、京都教育大など国立15校が設置。09年度は国立18校になり、現在は私立を含めた計25校が1学年14~100人の定員を募集している。

 原則、教員免許を取得した大学卒の学生と現職教員に入試資格が与えられ、2年間で修士課程を修了。最高位の専修免許が取得でき、給与は月額2万~3万円程度加算される。

 2年連続で定員割れになった4校の08年度、09年度の定員充足率は▽上越教育大(64%、83%)▽愛知教育大(46%、56%)▽兵庫教育大(85%、88%)▽鳴門教育大(72%、82%)。09年度に定員割れになった2校の定員充足率は▽北海道教育大(83%)▽宮崎大(82%)。国からは各大学に大学院運営費が助成されるが、6校はいずれも運営費返納の基準となる定員充足率90%を下回った。

 2年連続で50人の定員の半数前後しか埋まらなかった愛知教育大は、学部から進学する学生は約1割だけ。大半は県教委からの派遣と、教員養成系ではない他大学の卒業生が占める。学部生の多くが現役で教員採用試験に合格するため、学費を負担してまで大学院に行く必要はないと考えるという。同大入試課担当者は「教員採用試験に落ちた学生や教職課程が充実していない他大学向けに募集をかけているのが実態で、教員の質向上につながっているとは明言できない」と話している。

 教職大学院は現在、中央教育審議会の「教員の資質能力向上特別部会」で主要テーマとして議論され、教員免許の取得には現在の学部教育に加え、教職大学院のような教職課程を課すべきだとの意見が大勢を占める。文科省大学振興課は「修了生が少なく成果が出ているかどうかは判断できない。各大学には資質向上に向けた制度のたたき台となるような実績を期待する」と話している。


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